「体調不良は心のSOS!」ナースが学ぶ心と病気の連鎖/第4講


 

ナースが学ぶ心と病気の連鎖
「体調不良は心のサイン!」

 

第2講で、感情は脳内の【海馬と扁桃体】でつくられていること、

ヘビを見たときの恐怖という感情の話から【感情は身体】で感じていることをお伝えしました。

第3講では記憶について。【思い出すたびに感情は強まる】ということについてお話しましたね。

今回はもう少し解剖学的に心と身体を見ていきたいと思います。

 

 

私たちは出来事を五感【視覚・聴覚・体感覚(感情)・嗅覚・味覚】で捉えています。この情報は各知覚神経を通って脳に伝達されていきます。コンピューターにHTMLやCSSなどの専門用語があるように、人間の情報伝達も暗号化された文字列で行われています。

これに関しては遺伝子のところで詳しく書きますが、コンピューターの発展とともに進んできた認知科学が、人の心を科学的に分析できるようになった理由がわかります。最近AIが目覚ましい発展を遂げているように、人間とコンピューターは構造が非常によく似ているんですね。

知覚神経を通って情報を受け取った脳は、第2講にあるように【過去の知識と経験】を参照して判断し、次の司令を身体に送ります。その方法は主に3つ。看護学校で教わったことの復習です。懐かしく感じる人もいるかもしれませんね。

 

 

1.運動神経系

身体には縦横無尽に運動神経が張り巡らされています。ペンフィールドの図を思い出しましょう。身体に司令を出す脳の部位が決まっていましたね。脳ではさらに詳細に手、指、第1関節、曲げる、反る、ひねるなどの司令を出しています。人間の身体はとても繊細なんですね。

ヘビを見たとき瞬間的に立ち止まってしまいますが、それも【知覚神経ー脳ー運動神経】の経路を一瞬の間に通っています。全身の筋肉を硬くする(=緊張させる)のも、鳥肌が立つ(=威嚇する)のも、脳の司令によって行われ、自律神経やホルモンが大きく関わっています。

 

 

 

 

 

2.自律神経系

自律神経は内臓神経を担当します。自律神経には交感神経と副交感神経がありましたね。主に、交感神経は活動しているとき積極的に動いたり戦うための神経で、副交感神経は眠っているときやリラックスしているとき優位に働く神経です。

ヘビを見たとき冷や汗がでるのは、身体が戦う準備をして交感神経が優位になるため。交感神経が優位になると全身の機能が活発になるため、心拍が早くなり、血圧が上がり、毛穴が開いて体温調整が亢進します。目を見開くなど知覚神経も鋭敏になるんですね。

尿意や便意は副交感神経優位の作用ですが、まさに戦おうとしているとき「あ、ちょっとオシッコ」とか「あ、ちょっとウンチ」となっては困りますね。交感神経が優位になっているときは副交感神経は休んでいる状態。この2つの神経はシーソーのような拮抗作用をして、ホルモンの司令を受けます。

 

 

 

 

 

 

 

3.ホルモン系

ホルモンは身体と感情にとても影響します。現在わかっているだけでも30数種類あると言われます。それぞれに、そのホルモンを作れと命令するホルモン、分泌しろと命令するホルモン、止めろと命令するホルモンがあり、数えきれないほどの種類があります。またホルモン同士が拮抗作用をしたり、促進作用・抑制作用をするため、とても複雑な働きをしています。

ホルモンは感情の影響を受けますが、逆に感情にも作用します。たとえば、大切なホルモンの一つに“ドーパミン”というホルモンがあります。ドーパミンは長い間努力をしてきた成果が実ったとき「やったー!嬉しい~!」と感じたときに分泌されるホルモン。“幸せホルモン”と呼ばれるホルモンで、分泌することによってさらに幸せ感を感じるよう運動神経や自律神経に作用します。

ドーパミンが自律神経に作用すると、体温が上がって頬が赤くなったり、鼓動が早くなったりします。また運動神経に作用すると、表情筋を緩ませて笑顔になったり、両手を上げてバンザイをするなど感情を表現します。私たちはドーパミンを分泌するために、日頃仕事を頑張ったり恋愛などをしていると言えるほど、ホルモンと感情は関係が深いのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめますね。私たちが五感で捉えた出来事は、【知覚神経】を通って脳に伝達されます。脳は【記憶】を参照して【感情】をつくり、【運動神経系・自律神経系・ホルモン系】を使って身体に司令を出します。身体はその通り動き、再び知覚神経を使ってその結果を脳に報告し、再び脳が司令を出す。私たちはこの伝達システムを24時間365日行なっています。

 

では、毎日恐怖を感じていたり、毎日緊張や不安が続いているとどうなるでしょう?

自分を守るために戦いモードで優位になる【交感神経】が強くなります。ゆったりした気持ちで過ごしたりリラックスして眠ることができない場合、ずっと交感神経が優位になりますね。すると副交感神経で働く腸の機能が低下して、食欲不振になります。座って考えこんでいる時間が増えると、呼吸が浅く身体の各細胞は酸欠状態になっていきます。さらに血液循環も停滞し、身体は低代謝・低エネルギーになっていきます。

何日もその状態が続くと幸せホルモンのドーパミンが分泌されることがありません。するとさらに気持ちは落ち込んでいきますね。ドーパミンは、分泌を止めるホルモンがないので、通常“リラックスホルモン”と言われるセロトニンを分泌してドーパミンを止めます。ところがドーパミンが出ないため、セロトニンが出ることもなく、身体はいよいよリラックスができなくなってきます。

 

 

この悪循環をたどれば、身体に不調が起こってくることが想像できますね。身体の症状や体調不良はこうしてつくられていきます。お腹が痛いから薬を飲む、眠れないから薬を飲む、抗不安薬や抗うつ薬を飲んでも何も解決には至らないのです。

体調の変化は「このままじゃ危ないよ!」「心の問題を解決して!」と身体が知らせる心のサイン。

わずかな変化も(何が私の問題なのだろう?)と考えることが病気を予防する一歩です。

 

 

 
山咲凛子 1967年生まれ
Wellnessナース/NLPマスタートレーナー
看護師22年、コミュニケーションスクール主任講師10年。女性が自分らしく生きるためのコーチングや起業支援の経験を活かして、健康/予防を目的に個人活動を行う。受講生約400名、女性セラピストトレーナー150名育成、セッション数4000件から導き出した独自のセオリーを持つ。ナースサミット主催、Wellnessナースビジネスプログラム主宰。
主な情報は8年前から書き綴っている、看護師向け無料メルマガ【心と身体のStudyMail】にて。

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