その介護予防、認知症予防「誰のため?」

 
(メールマガジン【心と身体のStudyMailより】)

GW、大阪は後半になって快晴が続きました。
いかがお過ごしだったでしょうか。
ちょうどGWに突入した4月27日、9時頃に叔母が入っている施設から電話がかかってきました。
今日は88歳の叔母の話をさせてくださいね。

 

 

 
2週間前に叔母を訪問したところでした。
いつのまにか腰椎骨折をしていたせいで前傾姿勢になっていますが、不眠や便秘以外さほど悪いところもなく4年前から施設にいます。
1人で生活できる状態でしたが、息子一家が自宅から5分ほどのところにできた施設に入れたんですね。
叔母は子供を安心させるために受け入れた感じでした。

 
電話をしてきたのは施設の看護師さんで、昨夜から様子がおかしいと。
お風呂で立てなくなってドアを叩いて叫んでいた、呂律が回っていない、手に持っているものを落としてしまう…など。
ああ、なるほど、と。
そしてなぜ私のところに電話をかけて来たのかな?と思いました。

 
「私は姪でちょっと離れたところに住んでいて、そこから5分くらいのところに息子がいるんですが。」と言うと
「そうですか。どこに連絡していいかわからず、携帯を見ていちばん上の着信のところにかけさせてもらったんです。」と。
むむー。
ちょっと納得いきませんでしたが、まぁ同業者としてわからないでもないので、「じゃあ私から息子さんに電話します。」と言って切りました。

 

 

 
息子に電話をして事情を説明すると「脳梗塞かなぁ。。」と。
そのとき私は、叔母が部屋の壁に「私は延命治療をしません」と書いた紙を貼っているのを思い出していました。
そして息子(私にとって従兄)はどうするかなぁと。
従兄は私が看護師だと知っていますが、冠婚葬祭ぐらいでしか顔を合わせないので、私がこういう考え方の看護師だとは知りません。

 
たいていの場合、親への対応でいちばん気にするのは親戚の目です。
自分がちゃんと対応しなかったら何言われるかわからない…という不安です。
しかも看護師がいたら尚更かもしれません。
私は電話で言いました。

 
「おばちゃん、あの年齢だし、何もしてほしくないって日頃から言うてるから、私はとくに何ってしなくていいと思うねん。
ただ、おばちゃんが自分がおかしいことに気づいていて、不安になったり怖がっていたら、その部分だけ対応してあげたらいいと思う。」と。
すると「そうか。それでいいかな。とりあえず行ってみるわ。」と、従兄はやるべきことがわかったというふうでした。
電話を切った後、私は伝えれてよかったと思いました。

 
そうか、私が従兄にこれを伝えるために、あの看護師さんは私に電話してきてくれたんだなって。
有り難いなって、ホッとしてプレ講座に行くことができました。
その後、とくに電話なく経過しているので、きっと従兄は上手く対応してくれてるのだと思います。
迷ったり、緊急なことがあれば連絡してくるでしょうから。

 

 

 
通常、延命治療を望まない叔母のための対応…って思うかもしれませんね。
いえ、実は違うんです。
私の視点は息子一家にあります。
子供が3人いて共働きしている一家で、親が長期に入院したり延命治療をするとどうなるか想像つくでしょうか。
たとえ家の近所だとしても放っておけないし気になるし、時間、体力、精神的、経済的な負担を背負うことになるのです。
すでに施設に入って終えている人よりも、生きている人の生活が大切なのは当然のことだと思うのです。

 
考えてみてくださいね?
叔母は自分が介護にならないように、認知症にならないように自分なりに気をつけてきた人です。
その目的は何だと思います??
外に出かけることができなくなって、ほとんど自室で過ごすようになってからもボケないように努力していました。
それは何のため?

 
「家族やヘルパーさんに迷惑をかけないため」ではないでしょうか。
自分は元気でいても、旅行に出かけたり知人に会いに行くこともできない、だけど…。
そう、最期になって思うのは“自分以外の人”なのです。
叔母が延命治療をしませんと宣言していたのは、自分の意識がなくなれば自分は関係ありませんが、家族や周りが大変なことになるのを心配していたからだと思うんですね。
だから私は呂律が回らなくなった叔母の代わりに、息子に必要なことを代弁できて良かったと思いました。

 

 

 
私はこう考えるんですね。
社会を引退して70代80代で生きている方々は、もう思うままに生きていい。
戦後のとても苦しい時代に、もう十分すぎるくらい頑張って来た人たちなのですから。
それでもなお、予防しようと思うのは家族のためなんです。

 
だったら、親に介護や認知症になってほしくないと思うなら、家族が配慮すべきだと。
関わり方を学んでほしい。
介護とは何なのか?認知症とは何なのか?
何のため?について考える機会を持ってくれることを願うんですね。

 
私も叔母には、できればずっと元気でいてほしいけど、そのときが来たら受け入れようと思っています。
前回会いに行ったとき「ヘルパーさんが毎日歩け歩けって言うねんで。ほんで今日は腰が痛いから歩かんかったって言うたら、もーっ!って怒るねんで。」と苦笑いしていました。
私は「おばちゃんは無理しなくていいよ。おばちゃんがやりたいと思ったらやればいいし、今日はやりたくないと思えばやらなくていいねんで。
でもヘルパーさんにはヘルパーさんの役割があるから、歩いたときだけ歩いたよって言ってあげて、歩かなかったときは黙ってたらいいよ。」って言いました。
すると叔母は「そうか。あんたと話してたら気がラクになるわぁ。いいときだけ言うたらええねんな。はははー」と笑ってました。

 

 

 
「相手のため」という視点。
とっても難しいと思います。

【介護と認知症にならない心理学講座】

 

 

 

 

 

 

山咲凛子 1967年生まれ
Wellnessナース/NLPマスタートレーナー
看護師22年、コミュニケーションスクール主任講師10年。女性が自分らしく生きるための心理サポートや起業支援を行ない、現在はその経験を活かして、健康/予防を目的に活動中。卒業生約400名、セラピストトレーナー150名育成、セッション数4000件から導き出した独自のセオリーを持つ。ナースサミット主催、Wellnessナースビジネスプログラム主宰。
主な情報は8年前から書き綴っている、看護師向け無料メルマガ【心と身体のStudyMail】で配信しています。

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