新人ナースの教育は無意識開花 ☆①仕事中は放っておく


 

人間関係でもっとも難しいのは、人を育てることではないでしょうか。
企業で社長が職員を育てること、上司が部下を育てること、新人教育を行うこと、どれも多くの人が行き詰まりを感じてしまう難しいことですね。

二人がすでに「上」「下」の関係性である場合、上の立場の者が言う言葉には、必ず“力”が加わります。
上の立場の者が(そんなつもりで言ったんじゃない…)というような些細なことが、下の立場の者に伝わると、注意・指示・命令という形に変わります。
2つの関係性による、見えない“圧力”が発生してしまうんですね。
多くの上の立場の人は、このことに気づかず言葉を伝えてしまっています。

 

 

 

こんな話がありました。
従業員が500名ほどいる会社で、会社の食堂で食べる昼食代は自己申告制で給料から天引きするシステムをとっていました。
社長は従業員に向かって、「昼食代、上手にごまかせよ~」といつも言うそうです。
たびたび言うのですが、月末に集計すると、食堂で出た昼食の数と従業員が申告した昼食の数はぴったり合うそうです。
毎日勤務する場所で、自分がいつ食堂で昼食を食べたかという記憶はわりと曖昧で忘れがち。
けれども、この会社では一人もそういう人がいないそうです。
何が起こっているのでしょうか。

 

社長が従業員に向かって言う「昼食代、上手にごまかせよ~」という言葉は、
そもそも従業員は“ごまかしていない”ということが前提になっています。
もし逆に「昼食代、ごまかすなよ~」と言うと?
“ごまかしている”ということが前提になり、従業員は社長に対して(私たちは信用されていない)と感じます。
すると、信用されていないのを何となく感じながら、真摯な気持ちで仕事に取り組むことが難しくなるんですね。

 

関係性によって、その言葉の意味合いが変わります。
コミュニケーションは相手が何をどう受け取ったかに価値があります。
たとえば部下に対して、もっと一生懸命働いてほしいと思うとき。
あなたが上司なら
「仕事、さぼらないでね」と言うのをやめて
「仕事、上手にさぼってね」と言うべきなんですね。

 

 

 

ちょっと難しいかもしれません。
でもできるだけ誤解を避けたいですね。
指導者が新人ナースに効果的な関わり合いをするためにできることを3つお伝えします。

 

1.仕事中は放っておく

あなたが“私は指導者である”と思えば思うほど余計なことを言ってしまい、気づかないうちに圧力を与えてしまいます。
前提は無意識なので自分自身も気づかず、相手も気づかないことですが、受け取る側は感じ取っています。

ゆえに、できるかぎり指導者からうるさく言わないこと。
けれども常に見守っておくこと。
つまり新人ナースが困ったとき、いつでも応えられる距離にいて黙っておくことです。
そして新人ナースから関わってきたときに応えるのが、指導者の効果的な関わり方です。

 

 

 

 

2.仕事中は、自分の在り方を見せる

新人ナースに頑張ってほしい、勉強してほしい、患者さんとこのようなコミュニケーションをとってほしい、もっと気がついてほしい、もっと効率よく動いてほしい…
さまざまな期待があると思いますが、言葉で伝えると指示命令になり、新人ナースのやる気を削ぐことになります。
指導者がやるべきことは、新人ナースに自分自身の姿を見せる(魅せる)ことなのです。

 
新人ナースが
“この人みたいになりたい”
“どうすればこの人みたいになれるのだろう?”
と思ってもらえるようになることが最も大切な指導。
そして新人ナースから質問があったとき、指導者は必要なことを答えてあげることが、最も効果的な指導です。

 

 

 

3.職場を離れて言葉のコミュニケーションをする

そうは言っても、私たちは言葉で自分を表現します。
言葉で相手を知ります。
自分を知ってほしい、相手を知りたいと思う場合、職場を離れてアフターで話しましょう。
なぜなら、場所と記憶が結びついているため、職場にいると“上下関係”が機能するからです。

 
そして仕事の話はできるかぎりしないこと。
もし新人ナースが仕事の悩みを指導者に話したとしても、それは自分を評価する指導者に対して言っても構わないことだけを話しています。
悩みの本質は隠されているんですね。

 
多くの場合、仕事で起こる問題は、日常の生活や家族関係、過去の経験などが影響しています。
あなたがもし新人ナースに効果的な関わりをしたいなら、仕事以外の話を聞きましょう。
(そんなプライベートなことを聞いていいの?)と思う場合は、自分の話から始めます。
指導者がオープンな気持ちで向きあえば、その“想い”が体に表現されて無意識的に相手に伝わるのです。

ただしアフターに誘うときも、指示・命令にならないようにご注意。
“誘ってくれれば私はいつでもOKよ”という意志を態度で示し続けましょう。

 

 

 

さいごに

ええ~、新人ナースを放っておくなんて出来ないわ…と思うかもしれません。
それはあなた自身が、“周囲から見られる目”を気にしているからでは?
指導者らしく見らなければ、指導者として認められなければ、という思いがあるために、一生懸命関わらなければならないと思い込んでいるのではないでしょうか。

 
指導は新人ナースのためでもあり、自分自身の成長のためでもあります。
では、指導者の成長とは?
指導者らしく見せることではありません。
すでに指導者として相応しいからその役割りを担っているのです。

 
あなたに必要なのは?
自分の能力を自分自身で認め、新人ナースの能力も信じてあげられるチカラ。
心の強さです^^

 

 

 
山咲凛子 1967年生まれ
Wellnessナース/NLPマスタートレーナー
看護師22年、コミュニケーションスクール主任講師10年。女性が自分らしく生きるためのコーチングや起業支援の経験を活かして、健康/予防を目的に個人活動を行う。受講生約400名、女性セラピストトレーナー150名育成、セッション数4000件から導き出した独自のセオリーを持つ。ナースサミット主催、Wellnessナースビジネスプログラム主宰。
主な情報は8年前から書き綴っている、看護師向け無料メルマガ【心と身体のStudyMail】にて

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